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〈変更が必要なケース〉
就業規則があっても、ずっとそのままでよいわけではありません。会社経営を続けている中で、内容の見直しや変更をしなければならなくなることもあります。
就業規則の変更が発生する要因としては、以下のようなことがあげられます。
- 創業以来、就業規則の見直しを全くしていないとき
- 労働にまつわる法令の改正や最低賃金の改定があったとき
- 労働時間や休日、賃金体系を変更するとき
- 手当を新設・廃止するとき
- 在宅勤務(テレワーク)制度や変形労働時間制を導入するとき
- 今ある就業規則が会社の実態に合っていないとき
- 経営状況が悪化したとき
〈従業員の反対があっても変更できる?〉
就業時間を延長する、給与を減らすなど、従業員に不利になるように就業規則を変更する場合は、社内から反対の声が上がることも予想されます。
会社側からの一方的な不利益変更は労働契約法で禁止されていますが、従業員の過半数を代表する者の意見を聴取して書面で提出すれば、変更の届出そのものは行うことができます。ただし、変更理由に合理性があることを説明できなければなりません。
〈就業規則を変更するときの手順〉
- 変更箇所を決めて新しい条文を考案する
まず、就業規則のどこを変更するかを検討します。変更箇所を決めたら、変更案をとりまとめます。パート・アルバイトなどを雇用している場合は、パート・アルバイトも適用されるのかなど変更の適用範囲も定めます。その後、各種労働法規の違反がないかをチェックする。 - 就業規則変更届
次に、労働基準監督署に提出する就業規則変更届を作成します。どこをどのように変更したのかがはっきりわかるよう、新旧対照表を載せるとわかりやすいでしょう。特にフォーマットの指定はありませんが、厚生労働省のウェブサイトに就業規則変更届の様式が掲載されていますので、そちらを利用するのも良いでしょう。 - 変更届に添付する意見書の作成
就業規則を変更する際には、労働者の過半数を代表する者の意見書も作成しなければなりません。代表者は、管理監督者でない者の中から、挙手や投票などの民主的な方法で選出されることが条件です。
従業員代表者の意見を聞いて内容を書面にまとめ、日付と代表者の署名捺印を入れます。このとき、全従業員の同意を得る必要はありませんが、不利益変更を行う場合はこの段階で従業員に説明しておくとよいでしょう。 - 労働基準監督署へ提出
変更届・意見書・新しい就業規則が用意できれば、労働基準監督署へ提出します。それぞれ2部ずつ用意して、1部に受領印を押してもらい、社内の控えとするとよいでしょう。基本的にきちんと形式に沿ったものであれば問題なく受理されますが、変更内容が労働基準法に違反しているものであれば受理されないこともあります。 - 社内へ周知
変更した就業規則は社内に周知します。周知は、労働基準監督署への届出前に行ってもかまいません。その際は、どこをどのように変更したのかがひと目でわかるように、新旧を比較できる表を添付すると親切です。新しい就業規則は、社内イントラネットの共有ファイルや、オフィス内のだれもが立ち入れる場所にあるキャビネットの中など、従業員全員がいつでも閲覧できる場所に置いておきましょう。さらに、その就業規則がどこに置かれているのかは必ず従業員に知らせましょう。
上記のように、変更するだけでも手順が複数あります。
本当に変更が必要なのか、変更するなら追加するのか等、社長1人では中々判断し辛いと感じます。
改定や助成金適用の際にも改定が必要な時もあるので、1度診断を受けることをお勧め致します。