【変形労働時間制について】

社労士の小泉です。
今回は変形労働時間制の注意点を記載致します。

(成立要件)
1ヶ月単位の変形労働時間制の場合、シフト表や会社カレンダーなどで、対象期間、起算日を明らかにした上で対象期間すべての労働日ごとの労働時間をあらかじめ具体的に定める必要があります。
その際、対象期間を平均して、1週間あたりの労働時間が40時間(特例措置対象事業場は44時間)を超えないよう設定しなければなりません。
この要件を具体的に紐解くと、以下の要素がすべて特定されていることが必要になります。

①対象期間と起算日
②日ごと、部署や個人ごとの始業時刻・終業時刻・休憩時間
③部署や個人ごとの休日

(気を付けるべき点)
1ヶ月単位変形労働時間制を運用する際に起こりがちな誤解として、以下のようなものが挙げられます。
【誤解1:シフトは1ヶ月分決めず、前後半などに分けて決めても良い】
対象期間を1ヶ月とした場合、開始時期までに対象期間の全てにおいて労働日、始業終業の時刻を決めなければなりません。
例えば「2週間ずつシフトを決める」などの運用は正しい運用ではありません。

【誤解2:月間総労働時間さえ変えなければ、シフト変更が自由にできる】
1ヶ月単位の変形労働時間制において、原則として一度決めた労働日、労働時間を変更することはできません。
ただし、業務上の都合でやむを得ず始業・終業ともに繰上げ(繰下げ)をする(労働時間が変わらない)などの変更は認められます。

【誤解3:残業した分を、別日の早退などと相殺して調整ができる】
別日に早退したからといって残業をした事実がなくなるわけではありません。
また、誤解2と同様、会社や労働者が任意に労働時間を変更することはできません。

変形労働時間制の活用には様々な注意が必要です。

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