【令和5年の雇用保険料率について】

社会保険労務士の小泉です。

今回は令和5年度の雇用保険料率について記載致します。

厚生労働省は、雇用保険料率を現行の1.33%から1.55%に、0.2%引き上げる見通しであることを明らかにしました。
具体的な引上げ時期については、2023年4月から新しい雇用保険料率が適用される予定です。
今回の引き上げでは、労使ともに負担が増えるため、企業・労働者の双方に影響がでることが予想されます。

(引き上げの理由)
今回、雇用保険料が引き上げられたのは、新型コロナウイルス感染症の長期化により、雇用調整助成金の給付や失業手当が増加したためと考えられています。
雇用調整助成金とは、経済的な事情により事業活動を縮小した企業が、雇用を継続するため休業した場合に、休業手当を助成する制度です。
2020年以降は、新型コロナウイルス感染症対策として、助成率・上限額を引き上げる特例措置が設けられています。
長引く新型コロナの影響により、休業を余儀なくされる企業が急増し、雇用調整助成金を申請する企業も大幅に増加しました。
また、新型コロナウイルスの影響により、失業者の数も急増し、失業手当の申請者・受給者も増加しました。
これら、雇用調整助成金・失業手当の急増により、雇用保険料の積立金が大幅に減少したことが、今回の雇用保険料の引上げにつながっていると考えられます。

(労働保険料の年度更新時注意が必要)
労働保険料(雇用保険料+労災保険料)の納付手続きは、「年度更新」という方法によって行います。
年度更新とは、新年度の概算保険料の申告・納付と、前年度の保険料を精算するために行う確定保険料の申告・納付の手続きのことをいいます。
2023年4月から雇用保険料率が1.35%から1.55%に引き上げられるため、2023年度の概算保険料の申告・納付は、新しい雇用保険料率によって計算しなければなりません。
雇用保険料率を間違えると、手続きのやり直しになってしまうので注意しましょう。

上記のように、昨年からも雇用保険料率の変更があり、今年も変更があります。
毎月の給与計算時の控除率変更や、年度更新時の集計も煩雑になりつつあります。

社労士と契約をしていれば、会社の手間は省けるかと思います。

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