こんにちは。
社会保険労務士の小泉です。
今回は労働者派遣について記載させて頂きます。
派遣事業を考えている社長様では、派遣先・派遣元どちらが、どのような事をするのか悩んでいる方もいらっしゃると思います。
〈労働時間、休憩、休日〉
派遣先の会社が把握することとなります。
派遣社員の労働時間や休憩時間、休日などの管理を行うのは派遣先企業です。つまり、始業時間や終業時間、休憩時間の報告は派遣先の企業に行うことになります。例えば、私用で始業時間を遅くしたい、休憩時間をずらしたいといったような要望を出す場合は、派遣先企業の担当者に伝えましょう。
しかし派遣元にも連絡が必要となります。始業時間を変更したい等、契約内容を変更したいという場合も、派遣元会社に伝える必要があります。
〈時間外、休日労働〉
派遣先の会社となります。
時間外労働や休日労働の管理を行うのも派遣先となります。
残業や休日出勤の相談は、派遣先に申し出ましょう。ただし派遣先が派遣社員に残業・休日出勤を命じるには、派遣社員と派遣会社との間で「時間外・休日労働に関する協定」が締結されていることが前提となります。
その上で就業条件明示書にも時間外労働について記載しなければならないことになっていますので、記載がない場合は派遣元へ確認してみましょう。
〈賃金の支払い〉
派遣元会社となります。
派遣社員と雇用契約を結び、賃金の支払いの管理を行うのは派遣元になります。
派遣社員の給与を支払うのも派遣元の担当であるため、時給を上げて欲しいといった要望や相談を行う場合は、
派遣元に申し出る必要があります。派遣先の企業は賃金に関する権利を持たないため、仮に申し出たとしても変更はできないと覚えておきましょう。
〈年次有給休暇〉
派遣元会社となります。
年次有給休暇の管理を行うのは派遣元になります。「有給を取得したい、残日数を確認したい」といった要望を出す場合は、派遣元に申し出ましょう。
ただし労働時間や休憩、休日を管理するのは派遣先になるため、有給休暇かそうでないかを問わず、休む場合は派遣先企業への相談や報告が必要です。
〈産前産後休業〉
派遣元会社となります。
有給休暇と同様、産前産後休業を管理するのは派遣元になります。
出産を控えている女性派遣社員は、派遣元会社に産前産後休業の届け出をしましょう。
〈災害補償〉
派遣元会社となります。
災害補償を管理するのは派遣元になります。業務中や通勤中にケガをした、病気になった場合は派遣元に申し出ましょう。
但し労働基準監督署への報告は双方で必要となります。
〈健康診断の実施〉
派遣元会社となります。
一般健康診断を管理するのは、派遣元です。
健康診断を受ける時期になると、派遣元の会社から連絡が来ます。万が一疑問等がある場合は、派遣元に伝えましょう。
労働時間や休日を管理するのは派遣先企業になるため、就業時間中に健康診断を受ける場合は、必ず派遣先に申し出る必要があります。
他にも派遣事業では、6月報告や決算報告があります。