【自主的な練習は労働時間になるのか?】

社会保険労務士の小泉です。
今回は、自主練が労働時間に入るのかを記載致します。
よく美容師さんの練習時間等が代表的かと思います。

【自主練と労働】
労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれている時間であり、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たる(たとえば、参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用指示により業務に必要な学習等を行っていた時間は労働時間に該当する)とされています。
その自主練に直接的あるいは間接的な強制性があったかどうかが判断基準となります。
たとえ直接強制していなくても、自主練の参加が人事評価に直結していた場合などは労働時間として判断される可能性があります。
逆にいうと、自主練=労働時間とならないようにするには、強制的でなかったことを裏付ける記録(自主練のための施設利用申請書を都度提出させるなど)を検討する必要があります。

【会社の安全配慮義務】
会社は労働者に対して「安全配慮義務」を負っています。
労働契約法第5条で「使用者は労働契約に伴い、労働者がその生命、身体などの安全を確保しつつ労働することができるよう必要な配慮をするものとする」とある通り、
自主的なトレーニングだからといって職場での安全配慮義務から免れることができません。

【実際に対応】
労働者保護を重視する人からは「パワハラだ、ブラック企業だ」という非難が起き、
精神論者からは「本人がやりたいと言っていることをなぜ止めさせるのか」という反論が起こります。
企業側の現実的な対応は、「やり過ぎないようにコントロールする」に尽きるのではないでしょうか。
自主練を強制はせず、それでいて前向きな訓練は応援する、ただし過熱し過ぎないようにケアする、というバランス感覚を持った労務管理体制が求められるでしょう。

労務で不安がありましたら、社労士との契約もご検討下さい!!

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